■概要
 当工場は、第2階層ながみ村の人型戦車工場に隣接して建設されている整備専門の工場です。ファクトリーとドックを併設し、艦艇からI=D、ウォードレスまであらゆる補充部品を揃え、無名騎士藩国軍の整備を一手に引き受けています。


■整備工場

※このページでいう「旧ながみ藩国」は、現在では合併して無名騎士藩国ながみ村となっている領土の事を指す。漫画、SSは、ながみ村が旧ながみ藩国であった頃の記録である。
※このSSで言う藩王は、現在ながみ村村長である、元旧ながみ藩国藩王ながみゆきとの事を指す。
 
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 それは、晴天の霹靂のごとく旧ながみ藩国(現無名騎士藩国ながみ村)に起こった事件である。
 ふと気がつけは、藩国には、鋼が鋼を打ち付ける音が鳴り響いていた。
 ながみゆきとの号令により、アイドレス工場に隣接して、整備工場が建設されていたのである。
 いつの間に始まったのか、国民は知らなかったが、とりあえず公共事業として国が広報を出していたので、食料の価格暴落で収入が安定していなかった(ターン12現在)民は、こぞってこの建設に集まった。
 土木作業と言えば公共事業、公共事業といえば土木作業である。
 
 そしてそれは本当に土木作業であった。
 過去、空爆により藩国施設を爆撃されて大損害を被り、藩国政庁では連日のように阿鼻叫喚の地獄絵図、宰相負から公共事業を受注したもののその膨大な作業量に忙殺されたという教訓から、この工場――工業地帯は、密林にカモフラージュされていた。
 旧ながみ藩国の左官技術の粋を結集して作られた木造の工場群。
 屋根には「生きた植物」が栽培されており、上空から見た場合これはただの密林にしか見えないようになっている。どうしても鉄筋で建設しなければならない部分は、トラクター工場であるという情報が流された。
 
 工業地帯には、I=D・車両整備作業場、点検作業場、部品整備作業場、I=D・車両置き場、作業員宿舎等が備えられており、長距離輸送システムの旧ながみ藩国地上側線路を利用して、アイドレス工場との物資の輸送が簡便になるよう考慮されていた。
 
 特筆すべきはリサイクル作業場であり、廃材――整備に失敗したり、大破したりしたI=D群を分解、使える材料を選別し、ある種の共食い整備が行われていた。旧ながみ藩国、大破して整備しなかった人型戦車やWDは大量にあり、これは何かに使えるよもったないよとのながみの言により、アイドレス工場の一角にジャンク置き場が出来ていたのだった。丁寧に錆を落とせば小さな部品は意外と使えたし、人型戦車のセラミックの人工骨格は粉砕されて再利用されていた。資源の確保の難しさから、可能な限り資源の節約をしようという考えであった。
 
 ながみ元藩王は率先して現場の監督にあたり(やっぱり政庁での事務作業は滞っており、摂政に怒られたが)、1日の平均睡眠時間2時間と言う過密スケジュールで仕事をこなしていた。
 
 何でそんなに頑張るんですかと、国民がながみに聞いた時、これはなんというかえーとそのー贖罪というかなんと言うかと言われて、食材? と切り替えされたと言うエピソードがある。
 
 長らく、旧ながみ藩国には整備士が存在しなかったのである。
 いや、唯一存在していたのが小太刀・三輪・加納(敬称略)のトリオエースであったが、ほとんど全ての整備作業が彼らに任されていた。
 ターン12にながみ元藩王が小太刀右京を訪ねた際、これまでの礼をしたいと整備作業を手伝ったのであるが、この整備作業が恐ろしく膨大で大変な作業である事を知り、今まで整備をまかせっきりにしていた事を猛省したのであった。このままではいけないと、食料暴落のあおりを食って閉鎖寸前になっていたトラクター工場(戦車整備場はトラクター工場と呼ばれるが、これは本当にトラクター工場)を国で買い上げ、整備工場を作る事にしたのである。
 なお、これに対する感謝の意の表明として、車両整備作業場には、清子さんのためのゴム履帯がストックされた。小太刀右京が、戦車の履帯は農道を荒らすので、ゴム製のものがあれば良いなと、以前藩王に漏らしていたのだった。
 元来整備士のいない旧ながみ藩国では、工場の建設に関して、小太刀右京他のアドバイスを元に整備工場の建設計画が建てられている。
 
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 ついに整備工場――工業地帯は完成し、民間から広く、整備員が募集された。
 これにより、国内の雇用が増加している。

■整備工場の復興

 ながみ村では、アイドレス工場と隣接する形で整備工場が存在した。だが、先の戦闘により、整備工場はアイドレス工場と共に壊滅してしまった。0戦闘が終了した後、藩王はすぐさま破壊された施設の再建を命じ、整備工場の再建のためにながみ村から左官技術の伝承者。所謂職人たちを招聘した。
 彼らは、職人という名に相応しい技術をもち、職人と言う名にふさわしく頑固であった。 そのため、隣接するアイドレス工場の再建作業を行う、同じく職人であるマシンマイスターたちと工場再建についての意見の食い違いにより対立し、時には掴みかからんばかりの言い争いをすることもあった。
 だが、彼らは共に国の為に工場を再建している。そのためか、争ううちに互いに打ち解けあい、再建の終わり頃には互いの仕事を手伝う光景もよく見られた。そして、整備工場の再建が完了した日に、アイドレス工場の再建も完了し、職人たちは再建の完了を祝し、夜の街を飲み歩く姿が目撃されたと言う。

(文:ながみゆきと、黒野無明)