無名騎士藩国の開発した空間戦型I=D。
第5異星人「F」より技術提供を受けて開発された。
通称「青の7号」。

正式名称 NKiD-07
種別 空間戦型I=D
頭頂高 16.24 m
重量 114.2 t(B型)
125.2 t(B+型)
パイロット 1名(B型)
ホープ/舞踏子/AI知類 1名(B+型)
推力 MPDアークジェット
 45,700,000kg ×4(B型)
 45,700,000kg ×4+17,600,000kg(B+型)
微小姿勢制御用MCS
推進剤 H2O/H2
加速度 1600 G (平均値)
装甲形式 セミモノコック式マイクロセル装甲
発動機 歪曲空間転移型エネルギー受信端末
通信機 歪曲空間通信装置
開発統括 Ambizione Felino Laboratorio

Top / Development / Special / Variation



20070906 MPK4501より設計図がもたらされる。絢爛世界を崩壊させ、「F」の艦隊を消滅させた原因として白オーマの存在が示され、それに対抗すべく「顔のない男」(通称ロボ)、キノウツン藩国、そして無名騎士藩国に対し技術提供が行われた。
200711後半 本格的な機体製作に着手。基本性能要求は以下の通りである。

宇宙空間戦能力及び大気圏内飛行能力
最大加速度1600G
相転移ジェネレータの導入
近距離〜超遠距離の高機動射撃戦闘能力
対絶技機能の付加
「F」タイプ操作インターフェイス
パイロット1名によって操作できるウェポンシステム
ジェネレータ搭載母機、及び僚機とのリンクシステム

XNK−07と命名された試作原型機は合計で9機が計画され、段階的に新技術を導入していった。

01号機 エネルギー受信/飛行試験機 通常コクピット仕様
02号機 飛行試験機 通常コクピット仕様
03号機 義体制御試験機 義体仕様
04号機 インテリジェント・マテリアルセル実験機
05号機 宇宙運用試験機
06号機 武装試験機
07号機 高機動パック運用評価試験機
08号機 対絶技装備試験機
09号機 最終調整

20071202 エンジンテストを経て小笠原実験場に持ち込まれた試作1号機飛行試験が行われたが、冷却能力不足により飛行に失敗。
20071224 天領実験場にて、試作1号機から大幅に設計を変更した試作2号機飛行試験が行われた。テストパイロットとしてカール・ドラケンが搭乗、初飛行に成功。なおこの際、エネルギー転送限界を超えた領域において滑空飛行を行い転送領域に復帰した。大気圏内においては有効な処置であると判断し、以後の機体に滑空用制御プログラムを実装。
20080223 試作2号機を改装したNKiD−07A−02Dの緊急投入
20080421 A型完成
20080527 B型、B+型の量産開始。ここまでに生産されたA型は全て改修されB型と同仕様とされた


概観
 エネルギー転送試験及び、飛行機能試験に供された機体。この段階ではエンジンテストが成功したのみで、インテリジェント・マテリアルセルの実装には成功しておらず、通常I=Dと同じ構造で設計されている。

 コクピットブロックは流星号を流用したタイヤキタイプ。操縦系はRBと同様だった。

センサー系は顔面にセンサーパネルとしてまとめこまれた。

 主機は両脛部に搭載されたエネルギー受信端末。 スラスターはNKiD−06と同タイプのもの(プラズマロケット)が装備された。

 エネルギー供給試験の一環として両手指に小口径レーザーが仮設置された。

飛行失敗
 地上試験では問題がなかったものの、飛行レベルまで出力を上げたところ推力異常が発生。大エネルギーの受信に対して排熱系のキャパシティが不足し、異常過熱して排気ダクトが溶け落ちたのが原因だった。当然飛行はできず、飛行試験は次の2号機まで持ち越されることになる。

テストログ



概観
 試作1号機と同じく、飛行試験用として試作された機体。冷却系の抜本的強化が行われた他、推進器のレイアウト見直し、装甲形状の改修が行われ、1号機とは外見的にもかなり異なるものとなった。

 大気圏内での損傷防止のため、顔面部センサーには透過カウリングが装着された。
 コクピットは1号機と同様のタイヤキタイプ。
 主推進系はMPDアークジェットに改められた。
 主固定冷却器となるのは機体装甲表面であり、ヒートポンプを併用し放射冷却を行う。さらに、二次冷却として機体内の推進剤に熱を吸蔵させて噴射することで、直接的に排熱する方式を採った。
 装甲表面は試験的に耐レーザーコーティングが行われている。
 量子コンピュータ/記憶チップを収める頭部は(気休めとはいえ)脱出装置として単独飛行可能。また最大限の対電磁・対熱・対衝撃対策が施されている。

頭頂高 16.24 m
重量 114.2 t
パイロット 1名
推力 MPDアークジェット 45,700,000kg ×4
微小姿勢制御用MCS
推進剤 H2O/H2
加速度 1600 G (平均値)
装甲形式 セミモノコック式複合積層装甲
発動機 歪曲空間転移型エネルギー受信端末

 武装類は実射能力のないダミーである。

概観
 試作2号機と同仕様のボディを使用し、記憶チップ直接接続制御試験を行った機体。思考クロック加速×0.5〜×10^6まで良好な成績を残した。
 機体の制御それ自体はホープ型義体の制御と本質的な差異はなく、特に問題は発生しなかった。

概観
 インテリジェント・マテリアルセルによる機体成形の実証試験機。
 骨格フレームは量産機に用いられているものと同等のものが既に完成していたが、セルはまだ実験段階であった。

 本機によって高Gでの挙動や熱対策、形状再構成実験など様々なデータが収集されている。

概観
 宇宙運用試験機。高真空中における機体特性試験に用いられた。
同時に最大加速度運用試験も行われ、機体に対する影響が調査された。

概観
 武装試験機。各種レーザー砲の実装試験を行った。
レーザー砲の基礎技術に関してはNKiD−05及び06で高レベルに達しており、センサー系とのマッチングに時間がかかる程度であった。
 しかし高G機動中の照準制御技術に関しては話が別で、高Gに耐えるレンズの選定を行った上、ランダムに加わるGによってレンズが変形・焦点が移動してしまうのを補正せねばならなかった。この問題の克服にはかなりの時間を要している。

概観
 高機動パック運用試験機。試作6号機までで基本仕様の試験は全て終了しており、本7号機からはオプション装備の試験に入っている。

概観
 対絶技装備試験機。

 本機は白オーマとの戦闘を予定しており、「咆月」に用いられているのと同様に「シオネの円環」タイプの対絶技型精霊回路及び呪文詠唱装置の実装が検討され、本機で実験が行われた。

 円環発動時には焼き切れた表面のセルが剥がれ落ちる。

概観
 最終試験機。量産タイプと完全に同じ仕様で製造された。
試験終了後は正式シリアルナンバーが与えられ、量産機として扱われている。

Top / Development / Special / Variation



概観
 本機を特徴付けるのが、従来のI=Dとは根本的に異なる機体構造である。基本骨格フレーム以外の大部分をインテリジェント・マテリアルセルで構成された機体は素材レベルでの自己診断性、自己修復性、必要時の自己崩壊性を持ち、一般的なI=Dとは異なった生物的特性を示す。

制御系
 機体制御を担う量子コンピュータを始め、全ての伝送経路はEMPの影響を受けない光回路で形成。運動神経系(駆動信号伝達経路)は5重のサブシステムが組み上げられ、知覚神経系(体内モニタ系センサ)は通常I=Dの10倍以上、神経節として人体と比較しても遜色ない数が備えられている。

インテリジェント・マテリアルセル
 機体の70%以上を構成する正八面体のマイクロマシンセル。μmサイズの中に高圧縮強度構造材、高引張強度構造材、マイクロバーナー、光制御回路、エネルギー伝送経路、放熱路を組み込み、任意に結合と崩壊を行うことが可能。通常の汎用セルの他、レーダー素子特化タイプ、ヒートシンク特化タイプ、各種センサー特化タイプなどいくつかの種類があり、部位に応じ配置されている。また破壊時には融解・流動させることである程度の亀裂修復を可能とする。
 相互結合強度は1600MPaを超えるが、被弾時にはあえて結合を解除し、ダルマ落としのように弾丸を抜けさせることで衝撃を減衰することもできる。

機体構造
装甲は機能別に3重構造とされている。

装甲第1層(表面) 可変反射コーティング  対レーザー用の電磁波完全反射から、電磁偽装用の完全吸収までを自由に切り替えるコーティング層。部分ごとに反射率を変えることで、デブリなどへの電磁偽装も行える。レーダーセンシング時は透過モードとなる。
 この層はその特性からインテリジェント・マテリアルセルとして構成することはできなかった。
装甲第2層 レーダーアレイ・セル  レーダー素子タイプのセルを主として構成され、フェイズドアレイレーダーとして機能。機体表面をレーダー送受信機として使用する。
放熱セル  莫大な熱量を扱う本機の放熱を担う重要なセル。熱容量を低く抑えることで温度上昇を容易にし、放射冷却によって電磁波の形で放熱する。本機の外見を特徴付ける発光するラインはこのセルである。
※放射冷却によって放射されるエネルギーは物体の絶対温度に比例するため、わざと温度が高くなるようにしている
装甲第3層 修復セル  汎用セルで構成される修復/構造層。
熱電セル  ぜーベック効果によって熱エネルギーの一部を電力に回生するセル。
骨格 高強度フレーム  積層中空パイプ型の内部フレーム。空隙中には熱硬化性充填材が注入されており、構造破壊時に反応硬化し破断を防ぐ。
その他 ヒートポンプセル  熱伝導に特化したセル。ヒートポンプで機体内部から装甲面に熱を移送、放熱セル及び熱電セルに渡す。
各種センサセル 干渉型重力波センサ
音響センサ
ジャイロ
etc…

歪曲空間転移型エネルギー受信端末

 動力源は機体内にはなく、相転移ジェネレータからリアルタイム(タイムラグはない)で転送される。このエネルギー転移は極微ワームホールによるものであるらしいが、この受信部分の動作原理はまだよくわかっておらず、かなりの部分がブラックボックスとなっている。受信可能距離としては、おおよそ10000kmまでは正確性が確保されている。

 なお相転移ジェネレータそのものは「F」の技術を持ってしても1km×1kmほどの大きさがあるため、地上/宇宙基地に設置する、もしくはジェネレータ搭載母艦を建造してそこに搭載するという方法がとられている。これは本家「F」においても同様である。

 本機の単独行動半径はこの転送限界と等しくなるが、60秒ほどのごく短時間であれば機体内のコンデンサに蓄積された電力によって約30%の出力で稼働可能。

 右図は地上設置した場合の活動可能範囲である。ジェネレータ1基ではテラ全域は覆えないのがわかる。とはいえ、共和国/帝國の領土範囲は十分にカバーすることができる。

推進系
 主推進系はMPDアークジェット(推進剤を高電流で電離・プラズマ化させ、ローレンツ力によって強制排気する方式)。この方式では推進系が非常にコンパクトになる他、電気エネルギーを高効率で推進力(=推進剤の運動エネルギー)に変換できるために採用された。電極部分の消耗は非常に激しく、出撃ごとの交換が必要である。

 機体にはウィング状にレイアウトされ、放射冷却効率を高めると同時に推進剤加速距離を長く取っている。

兵装
武装はレーザー砲に統一されており、白兵戦は考慮しない。これは「F」と同じ設計思想である。

名称 NLL-301B パルスレーザー砲
口径 1,000 mm
スポット径 6 mm
最大射程 47,000 km

 両腕部に搭載された主武装。使用時は基本的に関節を固定、可変焦点レンズによるナノラジアンクラス(10^-9radオーダー)の照射角度制御によって47,000kmの距離においても1mの分解能を持つ。

 高エネルギーLLS型LIDARシステム兼用。
LIDAR…Laser Imaging Detection and Ranging。搭載レーザ砲の反射(後方散乱)を利用したレーザーセンシングシステム。レーザー砲を低エネルギーで連続点射することで対象空間のスキャンを行い、反射によって命中を、反射時間によって距離を知ることができる。

 推進器と並び最も高熱を発する装備であり、通常の放射冷却に加え液冷も併用されている。
 
名称 NLM-305b パルスレーザー砲
口径 480 mm
スポット径 5 mm
最大射程 19,000 km

 胸部に搭載された副砲。左右2基ずつ4基装備。
 照射角制御能力は主砲NLL-301と同様で、分解能は照射距離19,000kmで約20cmである。
 
名称 NLS-401A パルスレーザー砲 NO IMAGE
口径 50 mm
スポット径 2 mm
最大射程 800 km

 脚部・腕部に分散配置された対空パルスレーザー砲兼短距離レーザーセンサー。主にデブリ/実体破片の全周囲迎撃を行う。
 14基装備。

※スポット径=焦点直径のこと


運用とその制限

高機動超遠距離砲戦
 LIDARシステムを使用することにより、通常のレーダーやセンサーでは確認不可能な超遠距離からのレーザー砲撃を行う。またレーザーとその反射波による索敵・レーザーによる攻撃がほとんどタイムラグなしに行える。
 標準砲戦距離18000kmにおいてLIDARによる索敵を行った場合、反射波が到着した0.02秒後に本射撃したとして、着弾までに要する時間はセンシング点射を行ってから約0.20秒であり、攻撃対象が100G加速を行っていたとしても移動距離は196mにとどまる。すなわち、着弾点を中心に半径200m範囲を満遍なく砲撃すれば効力射が得られるというわけである。通常型パイロット(おおむね10〜20G程度が肉体限界である)の搭乗する目標を狙うのであれば、0.2秒間ではどう頑張っても40m程度しか移動することができず、本斉射を回避することはかなわない。
 考え得る限り最悪の条件…加速力2000G、砲戦距離47000kmにおいて戦闘を行う場合でも、攻撃範囲は半径9.6kmの円内となり、充分に攻撃可能な範囲である。

 レーザー砲装備機同士の戦闘においてはランダム加速を行いながらの射撃戦となるため、異次元の加速力を持つ本機は(同程度の性能を持つ敵機が出現しない限りは)圧倒的優位に立つことができる。

運用上の制限
 基本的にジェネレータから一定以上離れることができないため、長距離侵攻作戦などではジェネレータ搭載母艦を必要とする。
 指揮官型はパイロットの特殊性から緊急出撃には向かない。

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概観
 当初製造された量産機体。
対絶技装甲の使用によるリューンの暴走の危険性の高さが指摘され、生産は中止、残存する機体は1機を除き全てB型へと改修された。

コクピットブロック
 いわゆるノーマルコクピットタイプで、RB流星号でも採用されていたタイヤキ式コクピットを搭載するが、当然それだけでは不足するため、パイロットは十分にサイボーグ化し耐G措置をされている必要がある。

高速戦闘への対応
 機体との神経回路接続によって部分的な直結制御を行う。

 XNK−07−02の実戦仕様改装機。試作2号機のフレームをベースに量産A型と同様のパーツを用いて量産仕様へ改装された機体で、スペックはA型と完全に同等。対絶技装甲も残されている。

 無名騎士藩国の逗留ACEであるカール・ドラケンに預けられている。
 パーソナルネームは「クリスマス」。

 A型から対絶技装甲を撤廃して完成した量産機体。


概観

 B型の指揮官型。型式番号の第2項末尾に「+」がつくことで通常型と区別される。
 制御系換装(こちらが本来の姿とも言える)の他、背部に高機動パックを装着、通信系を強化。パック装着位置は既存スラスターと干渉しないように配慮されている。重量増加分の推力アップに加え(機体強度との兼ね合いで最大加速度自体は変化していない)、大容量タンクを備えることで航続距離を1.6倍に向上させた。
 武装に変更はない。

直接接続式コクピット
 人類の肉体限界を超えた高機動を実現するため、通常のコクピットを排除。搭載したBALLSにホープ/舞踏子の記憶チップを直接接続し、機体そのものを義体として制御するタイプ。直接制御方式としたことで、肉体を介することによる反応の遅れを避けることに成功した。
 機械の速度で思考し直結駆動を行う恩恵は明らかで、20kmも離れていれば核起爆型機動爆雷の爆散破片を回避・迎撃することすら可能だった。実戦ではホープ/舞踏子の未来予測との併用で予測射撃/回避を行う。

セキュリティ
 機体と搭乗者を一体化するということは、搭乗者が機体の影響を強く受けるということである。特にハッキングやクラッキングなどのソフト面でのダメージは致命的な結果に繋がることが予想され、厳重な対策が施された。

物理セキュリティ
 搭乗者(制御コンピュータ)への物理的ダメージを遮断すべく、耐衝撃材層・電磁遮蔽層・強制冷却機構が実装された。

情報セキュリティ
 搭乗者の記憶・思考への介入を避けるためのセキュリティ。全ての情報入力経路は搭乗者側から即時遮断可能とされている上、物理切断機構を装備。入力情報はサーキットゲートウェイで検査された上で中枢に渡されることになる。

イラスト:冴月
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