無名騎士藩国の開発・採用した宇宙用”人形”。

正式名称 NKiD-06
種別 宇宙用I=D
全高 9.51 m
全幅 3.25 m
乾燥重量 30 t(Type A)
31 t(Type B)
31 t(Type C)
搭乗者 なし(AI) あるいは1名
固定装備 NLS-104 小口径レーザー ×2
発動機 PE-08 対消滅反応炉
燃料搭載量 10 g
主推進機 PR-435 プラズマロケット
推進剤 高分子ゲル
推力 125t ×2
レーダー RD-08
ステーション 1:頭部
2:腰部
3a:右腕部
3b:左腕部
4a:右脚部
4b:左脚部
開発統括 G&C Armaments
 



 ターン7の赤オーマとの戦闘において、無名騎士藩国のアビシニアンは初の大戦果を上げた。しかし、その運用には余りにも巨大な兵站能力が必要であった。大量の燃料、莫大な資源、そして多数のパイロットと食糧、強力な整備組織を必要としたのである。これは藩国の財政に多大な影響を与えたため、直ちにコストパフォーマンスの良い新機体の開発が決定された。

新型機体の開発に際し出された要求は以下である。

使用戦域 宇宙
製造コスト NKiD-03以下であること
運用コスト NKiD-03以下であること
整備コスト NKiD-03以下であること
パイロット 極小人数で運用可能であること
装備 主武装としてレーザー砲を使用
機動爆雷を装備可能

 この要求を満たすとして開発候補に挙がったのが、第6世界で使われていた無人AI兵器『人形』だった。

■『人形』とは?
 基本的無人運用される小型(10m以下)の人型機動兵器/機動爆雷。いわば人型ミサイルである。第6世界・最低接触戦争における運用では母艦(通称『人形劇場』)から射出され、1年ほどかけて慣性航行でデブリベルトを突破、最終加速を行って高速度自爆攻撃を行う。後には艦隊戦などでも使用され、パイロットの搭乗する有人機に管制されて対艦攻撃を行った。後にラウンドバックラーとして改修されるものも多く、かの士翼号(F級フレーム日本月仕様)なども元はこの”人形”である。
■トライアル・テスト
 かつて藩国で生産・使用されていた「流星号」の残存フレームを原型としていくつかのモデルが試作され、スペック、整備性、製造コスト、ランニングコストの各項目で徹底的なトライアルが行われた。

モデル351  G&C Armaments製。全高7.7m。
 NKiD-03のフレームを一部流用、スラスター/エンジンも1基とし製造コスト低減を突き詰めた。

 製造コスト試算では確かに最も低コストであったが、肝心のスペックが要求最低値を満たせなかったこと、またNKiD-03から流用されたフレームが宇宙での使用にそぐわなかったために廃案となった。
モデル402  G&C Armaments製。全高9.5m。
 流星号のフレームとの互換性は捨てて簡略化、軽量路線で最適化されたモデル。第6世界製の”人形”に最も近い。
モデル566  A.F.Lab.製。全高10.1m。
 大きめなボディに多数の推進剤を搭載、固定武装として中レーザーを装備していた。NKiD-04の小型版といえるタイプ。

 固定装備レーザー砲の製造・調整にかなりのコストがかかったのと、NKiD-04ではクルー7名で制御していた機体を1名+制御AIでコントロールしようとしたためにコンピュータの大型化を余儀なくされ、整備コストがほとんど低減されていなかったために廃案とされた。
モデル617  G&C Armaments製。全高8.9m。
 流星号改のフレームをほぼそのまま使用しており、原型が最も残っている。モデル402と最後まで採用を争ったが、RBの中でも高級機である流星号のフレームの整備コストで差がつき、僅差で廃案となった。

 最終的に製造・運用コストが最も低いと判断されたモデル402・コードネームM2が採用され、XNK−06と命名された。

■生産性・整備性を重視した設計
 設計段階から生産性・整備性を高める工夫が随所に施されている。全パーツはモジュール化が徹底され、あらゆるパーツが3工程以内で組み付け/取り外しが可能である。特に各部アクチュエータの規格は徹底的に統一され、わずか3種まで切り詰めることに成功している。

 ボディ部分は大胆にコストダウンを行っている。NKiD-05などでは小規模な宇宙ステーションに匹敵する与圧区画の整備に大変な手間がかかった。これは与圧構造の整備は安全率を高く取って行わねばならないためであり、大変なコストと時間を必要としていたのである。だが、ここに1つの抜け道があった。「無人運用機に与圧構造は不要ではないか?」という案が上がったのである。機体そのものには与圧構造を持たせず、有人機用コクピットブロックのみを与圧構造とし、さらにパイロットが耐圧服を着用することで冗長性を高める、という方法である。この措置により、ボディ製造コストは実に15%減、整備コストと人時間も20%減という効果が上がった。

 両腕・両脚も徹底した共通パーツ化が図られ、左右の共通度は実に90%。装甲以外はほぼ全てが左右同型部品で構成されている。製造・調整にコストのかかるマニピュレータは撤廃され(そもそも人型ミサイルとしての使用にマニピュレータは不要である)、両腕は丸ごと武装ステーションとなった。両脚部ステーションは装甲に隠れており、装甲を外して装備を装着するようになっている。

 メインコンピュータ/AIはユニット化されてボディ内に搭載された。構成は正1副2である。機能は機体制御に限定されており、FCSは武装側に内蔵される。

 機体構成材はFe系合金であるが、大負荷・高熱のかかる推進系まわりには耐熱衝撃性を高めたファインセラミック複合材が使用されている。

■ジェネレータ/エンジン/メインスラスター
 エンジン兼用双発プラズマロケットである、PE-08対消滅ロケットエンジンを採用。対消滅反応によって発電・推進を行う。発電量は投入した反物質量に、推進速度は推進剤量と印加電圧に比例。

 結果的に本機の最も効果なパーツとなり、機体製造コストの30%をエンジン製造費が占めることとなった。

 燃料は10gほどで、本体搭載分の推進剤を全て使う場合の反物質消費量は2.25g。多量の正物質に少量の反物質を混合することで、余剰正物質を加熱・膨張させプラズマ化。一部には逆電界をかけ発電、大部分には正電界をかけて電磁加速・噴射する方式をとる。印加電圧の制御によって自在に加速度調整が行えるメリットは非常に大きい。エネルギー変換効率も80%を超える。

 対消滅反応では反応時にγ線の形でエネルギーが放出されるため、パイロットやコンピュータ類を保護する遮蔽材も重要である。γ線は荷電粒子線ではないため電磁遮蔽はきかず、遮蔽材を使うしかない。本機では高密度樹脂成形材を耐真空コーティングしてエンジンブロック周辺に配置、遮蔽材としている。

 反応物質兼プロペラントには加速力重視で分子量の大きいゲル状物質を使用。噴射速度300km/s、比推力30000s。増速量は133km/s。

 静止推力は250t。推進剤(18t)をフルに積んで5Gの定常加速が行える。緊急推力は1250t、15Gで連続加速することができるが、サイボーグ化したパイロットでもこのGに耐えるのは困難である。理論上は地球上から低軌道までの単独進出も可能で、木星クラスの重力下でも推力重量比1以上をキープできる。

■パッシブセンサ
・通常型光学センサ(カメラ)
・量子型赤外線センサ
・音響・振動センサ

■アクティブセンサ
・レーダー
アクティブフェイズドアレイ式パルスドップラーレーダーを両肩部に搭載。
データリンクにより干渉合成開口レーダーとしても使用される。

・弱レーザーセンサ
測距・レーザー通信に使用。

■肩部マルチラック
主にチャフ・フレアディスペンサーを搭載する。

■LIDAR連動レーザー砲戦システム
 通常、センサー系の分解能限界から確実な砲戦距離は1000km以内であるとされている。これは通常のレーザー砲はセンサーによる敵位置確定の後射撃せねばならないためである。
 だが、レーザー砲の有効射程は10000km以上である。この無駄を解消し、敵に対し優位に立つべくこのシステムは開発された。

 これは目標予想位置周辺を弱レーザー砲撃によって点射走査し、命中時に発生する熱による赤外線反応が返ってきたらその点射を中心に本射撃を行うというものである。本射撃を行うレーザー砲そのものによって命中を確認することができるため、砲戦距離は劇的に向上した。

●その他
基本カラーリングは低反射塗料による単色塗装である。



■頭部ユニット
 NKiD-06においては、頭部も換装可能な装備という扱いである。用途によりいくつかの頭部ユニットが用意されている。
●HA-01
 最も基本的な無人攻撃仕様。爆薬やコクピットを持たないため最軽量。C型と同等以上のペイロードと攻撃力・防御力を有し、無人機故の超高加減速が行える。
 単独運用することも可能だが、通常は1機のC型に十数機が随伴し集団戦闘を行う。
 短距離レーザー通信によるリンク機能を持ち、列機との協調動作やC型からの直接制御などが可能である。



●タイプA/R
偵察仕様。頭部を換装、St2に偵察ポッドを装備する。有人機がこれを装備した場合はC/R型と呼ばれる。偵察ポッドは緊急時強制排除可能。排除後の性能は通常のA型に準じる。

●タイプT
複座練習仕様。C型のボディを前後に延長し、複座型としたもの。
●HB-01
 無人自爆仕様。胴体内スペースに大量の爆薬を搭載し、自らが機動爆雷として加速・自爆、破片攻撃を行うタイプ。
 センサー系はやや低級なものが使用されており、頭部形状の違いからそれとわかる。
 最も大量に生産され、人形の本義である「人型ミサイル」として運用された。
●HC-01
 有人/指揮仕様。通信機能が強化され、無人機の管制機能を持つ。
 コックピットには高加速から乗員を保護する耐Gゲルが満たされ、被弾の際には乗員を真空暴露から保護する。
 AIはA型と同じものが搭載されているために無人運用も可能であり、AIに操縦を任せ射撃に集中、あるいは射撃をAIに任せ操縦、など柔軟な運用が行える。
 リンク機能によって、自機のかわりに無人機動作を制御することも可能。
■汎用装備1

●対人形/戦闘機用中口径レーザーガン NLM-203(st3)

 最も一般的な装備。主にX線レーザー(波長0.1nmクラス)を発振する。
 射撃用電力はステーションから供給。本体出力低下時などの緊急射撃用に超電導バッテリー1基を内蔵する。

種別 自由電子レーザー
口径 400 mm
波長 0.1 nm
スポット半径 2 mm
真空中における最大射程 6000km
重量 2t


●絶対物理防壁発生装置&剣鈴

 流星号のものより小型化の進んだシールド発生装置。RBのように水中機動を行うわけではないため、純粋に攻撃・防御用の装備である。
 ステーション装備ではなく下腕全体を換装する必要があり、これを搭載した機体は形式にsをつける。(As型、Cs型など)

重量1.5t
最大出力時連続稼働時間 140分
■汎用装備2

●制領域ミサイル・クラスター NMC-01A(St3,4)

 中距離武装。1コンテナあたり20発のARH式小型AAMを搭載。発射前に設定した目標に向かい加速、近距離で爆散し破片効果によって痛撃を与える。

St4に装備する場合はアタッチメントを噛ませることで2基が搭載できる。

 1発あたり弾頭重量5kg、破片1kg、推進・航法系4kg、燃料15kg。被害半径は宇宙空間でおよそ1km。
 推力0.5t、加速度20Gで10秒間加速可能。増速量4.9km/s。爆速は10km/sほどである。

重量550kg(コンテナ含む)
有効射程 発射時センサー有効範囲まで。
被害半径 1km

 地上戦時は自己鍛造弾頭型SSM、あるいは野戦防空型SAMが装備され、主に機動兵器戦に使用される。

■空間戦用装備1

●18m級対艦大型レーザー砲 NLL-202-B (St2+3)
 宇宙戦艦副砲クラスの大型レーザー砲。St2を介してSt3装備する。主にX線レーザー(波長0.1nmクラス)を発振。電源として独自のジェネレーターを内蔵。

 これを装備したままでのドッグファイトは行えない。
 ゲル型可変焦点レンズによる射程調整・射角微調整が可能。レンズは1射ごとに蒸発・再構成される。

 砲戦距離4000km以上

種別 自由電子レーザー
口径 800mm
スポット半径 2mm
最大射程 12000km
重量 20t
■空間戦専用装備2

●10m級機動爆雷 NMD-102(St4)
 推進系および航法機能を備えた超大型爆雷。人形クラスでも攻撃力が不足な場合(対要塞戦など)に使用される。これを装備したままでのドッグファイトは通常行えない。
 総重量52t、弾頭重量10t、推進剤総量40t。質量比は4.33。推力は2600tで、人形から切り離された後に50Gで200秒の加速を行い430km/sまで増速できる。

 起爆時は反物質の対消滅反応によってプラズマを発生させ、超伝導コイルによって回収・発電し飛散弾体を電磁加速。最終速度はさらに100km/sほど増加する。
弾体は長さ30cm・太さ0.5mmの針状のものを使用。
被害半径は10kmほど。
破片は着弾時に瞬間的に蒸発、運動エネルギーを熱と衝撃波に変換し激突対象を破壊する。

●長距離侵攻用ブースター NB-01
 推進剤(48t)と補助ブースター(4t)のセット。主に有人機の装備するオプション。
増速量をおよそ2倍にすることができる。
■地上戦用装備

●電磁加速砲(St3)
 弾体をローレンツ力によって加速する地対地砲。砲身長5600mm。
 口径12mm、長さ25cmのセラミックコートされたタングステン弾針を砲口初速13km/sで発射することができる。
多大な電力を消費するがその貫徹力は折り紙付き。主に重機動兵器に対して使用される。

●35mm対空機関砲(St3)
 黒曜用の機関砲を改設計…してはみたが想定した性能に達しなかったために急遽新設計された機関砲。
 リボルバーカノン式で、テレスコープ弾を使用する。徹甲弾・対空炸裂弾など複数の弾種が用意されており、対空攻撃に使用されることが多い。

●76mm自動砲改(St3)
 黒曜用の自動砲を改設計したもの。
 自動装填装置を見直し、連射速度を向上。C-MAGによって弾薬携行量も増加している。電子制御駐退器を搭載、マズルブレーキも改良された。
信頼性の高さから主武装として使い続けられている。
以下イラストなし

●電子戦ポッド(St4)
ジャマーと指向性アンテナをセットにしたジャミングポッド。

●偵察ポッド(St2)
直径1kmの展開式メッシュレーダーと光学/赤外線センサを搭載したシーカー2機のセット。

●対地KEMランチャー(St3)
黒曜用のものと中身は同一。コンテナを改修しアタッチメントをつけているのみである。
電磁加速砲の登場によりその座を奪われつつあるが、こちらはほとんど電力を消費しないために今だに使用され続けている。

●電磁パイル(St3)
黒曜用のものと接続部以外同一。
剣鈴を装備しない機体はこれを装備することが多い。
黒曜のジェネレータとは発電力が段違いなために高い貫通力を有する。