概要

 開発後20数年を経て旧式化したNKTN-01『つがるおとめ』及びNKTN-02『新婚号』の後継として開発されたNW第二世代HWT(Human Walking Tank:人型戦車)。無名系とながみ系の技術が融合した最初の機体でもある。

開発コンセプト

 本機はNKiD-10『玲瓏』、及びNKTN-04『蜜月号』とのコンビネーション運用を前提に、白兵〜中距離の対集団戦闘に特化した突撃戦闘型の機体である。
 グレーターデーモンクラス中型幻獣、及び敵性HWTを仮想敵として想定し、それに優越しうる性能を目指して開発が進められた。

 生体脳は当然ながら使用しておらず、パイロット二名(メイン、ガンナー)及び機載コンピュータの支援によって制御される。

 汎用性を重視して固定武装は設けず、両手・装甲(鎧)・背部マウントに各種装備を懸下・運用する。

特徴

1,新型の人工筋肉を使用することによる抜本的性能の向上

 本機には5年の歳月をかけて開発された新たな歩行植物を用いた人工筋肉を装備している。
これはゴボウ系の歩行植物を改良したもので、高エネルギー効率・単位断面積あたりの高出力化を狙って品種改良及び栽培方法の模索が行われた。
最終的には生産は宇宙工廠の高Gプラントで行われることとなり、常時2〜3Gの遠心重力下で高負荷をかけて栽培することで筋力の増大を図っている。遅筋型と速筋型の二種類が開発され、混合装備された。

 生物由来の素材である以上どうしても性能ばらつきが発生してしまうが、これをいかに平均的に調整するかが栽培者の腕の見せ所とされた。ちなみに食用にはならない。

2,循環系の改良

 人工筋肉の出力増大、またそれに伴う運動量の増加は必然的に体熱の増大を招き、限界を超えれば焼き付きを引き起こし機能停止してしまう。
 機体体積の問題もあって単純な空冷ではまったく排熱が追いつかず、ヒートポンプを全身に配した上で、全身を覆う防弾布に熱伝導シートを重ね、装甲表面からも効率的に放熱を行うようにした。

3,情報管制系の強化

3−1,戦術データリンク、指揮管制機能の搭載

 本機は他機種との連携作戦を前提としているため、データリンクシステムについても玲瓏・蜜月号と同タイプのものが装備されている。

3−2,強力な火器管制レーダーの搭載、通信アンテナとしての使用

 本機は比較的短距離での対集団戦を想定しているため、レーダーの有効範囲よりも情報処理能力と火器管制能力を優先した。
 装備されたマルチモードレーダーTR-17はRWS(範囲捜索)モードとTWS(追跡中操作)モードを持つ逆合成開口レーダーであり、最大108目標を捕捉、46目標までの同時ロックが可能である。なお、マニュアル操縦モードにおいてもウォードレス『幻燈』を使用することで、視界に表示されたレーダー画面を視線で追うことで自動ロックが行える。

 形状は伝統のラビットタイプとされ、両肩部に装備された。ミサイルランチャー使用時などは、射線を妨害しないよう前方に傾けることができる。

4,制御系の改良

 前述の通り、本機の制御系はパイロット二名(メイン、ガンナー)と機載コンピュータによって成立している。これらはウォードレスコードを通してリンクされ、完全自動モードと手動操縦モード、加えて本機で初めて実装された半自動モードの三種類の動作モードを切り替えて運用することができる。

 完全自動モードではコンピュータ側がマスター、パイロット側二名がスレーブとなり、パイロットは薬剤を注射して意識をシャットダウン、脳機能をコンピュータ側に明け渡し、完全に人機一体となった操縦が行える。ただし、この状態ではあくまでパイロットはスレーブであり、コンピュータの動作プログラムに応じた行動を取れるにすぎない。

 逆に手動操縦モードではパイロット側がマスター、コンピュータ側がスレーブとして動作し、コクピットの手動インターフェイスを用いて、コンピュータの支援を受けつつ操縦することが可能である。この場合、完全人機一体の境地に至るには長期の訓練が必要であるが、ノイマン型コンピュータのプログラムでは再現できない「直感」「先読み」といったファクターすらも生かして操縦することが可能である。

 半自動モードでは、コンピュータはスレーブ、パイロットは一人をマスター、もう一人をスレーブとして操縦する形式である。この場合は完全自動モードに比べてスレーブに入るパイロットが少ないためにやや計算速度が低下するが、自動モードの反応速度と人間の戦術スキルを生かした戦闘が可能である。

 いずれの動作モードにも一長一短があるため、操縦者及びコンピュータは状況に応じてモードを切り替えての運用が求められる。

5,装甲形式

 装甲は鎧として装備され、構造材としての機能は持っていない。このため被弾・破損した場合は迅速な交換が可能である。
装甲板はダンボール2の開発によって得られたデータから、比較的軽量ながら高靱性を持つ新素材を使用している。
 また、膝部には格闘戦用のヒットポイントが設けられ、徒手空拳での戦闘も可能である。

 現在は通常装甲型のみとなっているが、実戦での状況によっては重装甲、軽装甲といったバリエーションタイプも開発される可能性がある。

6,センサー系(レーダー以外)

 頭部の「目」は電子的妨害を受けない生体眼である。もちろん露出は危険であるため、偏光グラスでカバーされた。
 全身の筋肉部には接触・圧力センサ(『触覚』用)が装備され、パイロットの小脳に対する負担を減少させている。
 他、足下・背後を見るためのカメラがいくつか装備されていた。